2001 年 2001 巻 690 号 p. 109-120
本研究は, 高炉スラグ微粉末を用いた高強度コンクリートを対象とし, セメント系材料の水和進行に基づいて, 自己収縮におよぼす乾燥の影響を定量評価することを目的とする. すなわち, セメントの水和進行の程度を表す尺度として結合水量を用い, その結合水量と自己収縮ひずみとの関係に基づいて, 乾燥下の自己収縮ひずみを定量評価している. 本方法により, 乾燥の影響を無視する既往の重ね合わせ法は乾燥下の自己収縮を過大評価することを指摘するとともに, 乾燥下の自己収縮に及ぼす水結合材比および乾燥開始材齢の影響と, それらの各条件下における全ひずみに対する自己収縮ひずみと乾燥収縮ひずみの占有率を示した.