2001 年 2001 巻 693 号 p. 187-204
石炭火力発電所から産出される石炭灰は, 環境負荷低減の観点からその有効利用が重要な課題となっている. 筆者らは金属スラグおよび石炭灰を多量に用いた高密度の硬化体に関する研究・開発を進めてきた. 各種金属スラグを混入した石炭灰硬化体は, 石炭灰が有する振動締固めに優れる性質を活用することで, 従来のコンクリートと同等の強度を確保しつつセメント量が半減でき, 金属スラグの混入量により任意の密度が得られる. 本研究では, 締固めエネルギー量および骨材混入量から適切な配合設計が可能なこと, 凍結融解を生じない無筋コンクリートへの適用に当たって, 十分な耐久性が得られることなどを明らかにした.