土木学会論文集
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実構造物の非接触スキャニング振動計測システムの開発
貝戸 清之阿部 雅人藤野 陽三本村 均
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2001 年 2001 巻 693 号 p. 173-186

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抄録

著者らはこれまで, 構造物の振動モニタリングの合理化を視野に入れ, レーザードップラ速度計を用いた非接触スキャニング振動計測システムを室内実験において構築してきた. しかし, 実構造物の振動計測では計測対象がレーザー反射率の低いコンクリートや汚れの付着した鋼材となることが多く, レーザードップラ速度計の適用には克服すべき課題がある. そこで本研究では, レーザー戻り光量が計測対象の表面状態に依存するという問題を計測点ごとに戻り光量が最大となる点を自動探索することで解決し, システムの改良を行った. これにより実構造物を対象とした際の計測精度の大幅な改善を図った. 一例として, 実橋の鋼桁およびRC床版の振動計測を行い, 計測精度を実証するとともに部材固有の部分振動モード形の同定を可能とした.

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