2002 年 2002 巻 696 号 p. 237-248
地盤のS波速度は, 地盤応答解析などに必須のパラメータであるが, PS検層で観測される場合が少なく, N値などの地盤調査データから推定されることが多い. しかし, 既往のS波速度推定式は, 統一的かつ広範なデータに基づくものとはいい難い. 本研究では, K-NET地震計の設置地点1000箇所と横浜市地震計の設置地点150箇所におけるPS検層と標準貫入試験を含むボーリングデータを用いて, N値, 土質分類, 地質年代を説明変数とするS波速度の推定式を多重回帰分析により求めた. また, 深い深度までを含む横浜市データに対する推定式をK-NETのデータに対して適用することにより, この推定式を日本各地へ適用可能であることを確認した.