定常的に高温条件に曝される鉄筋コンクリート施設として, 原子力発電所の原子炉格納容器, 原子炉・冷却水配管の支持構造, 放射性返還廃棄物, 使用済み燃料等の高レベル廃棄物貯蔵施設などがある. これらの構造物では, 鉄筋とコンクリートの物性の高温特性が外荷重に対する応答に影響すること, 鉄筋とコンクリートの熱膨張特性に起因して内部応力が発生することなど, 高温下特有の挙動を示す. 後者は, 既報においてその特性を評価した. 本論文は, 常温から最高500℃までの温度領域における鉄筋とコンクリートの物理的性質の温度依存性について, 実験結果を中心として取りまとめたものである.