2002 年 2002 巻 698 号 p. 93-98
濁度計は水系の土砂動態モニタリング装置として普及しつつあるが, 土砂粒子に対する光学散乱を計測しているために土砂の性状と光学的応答の関係を把握した上で用いる必要がある. 本研究では, 土砂粒径と濁度の関係を実験によって調べ, さらに現地データに基づいて実用上の適用範囲について考察し, 以下を明らかにした. 1) 濁度の出力値は粒径の増大に伴って減少し, 機種による差はあるが砂粒子 (0.42mm以上) への反応性が悪いものが多い. 2) 濁度は粘土成分に強く反応するため, シルト及び砂分の構成比が変わっても影響は少ない. 3) 現地では, 同一地点であれば流送土砂の粒度分布があまり変化しないことを前提にして, 濁度のみから土砂濃度を換算することとなる. 4) 土砂濃度は濁度と粒径の関数として表現できる.