2002 年 2002 巻 700 号 p. 183-188
液状化対策としての締固め式砕石杭工法は, 杭間砂質地盤の締固めや杭自体の強度付与などの改良効果の他に, 砂の代わりにせん断剛性が高く透水性の良い粒状材を用いることによって, 地震時に発生する過剰間隙水圧を速やかに排水させ, 完全液状化による構造物の被害を防ぐ効果を期待している. 本文では, 締固め式砕石杭工法の適用性の拡大を目的として, 主として粒度調整砕石について, 三軸圧縮試験により内部摩擦角とせん断時の体積圧縮特性を調べた. さらに, 施工現場での計測結果の分析をもとに, 透水性の良好さがおよぼす排水効果について検討した. 粒度調整砕石は, それ自体の強度, ダイレイタンシー特性と良好な透水性によって, 大地震時にも一層の杭間地盤の地震時過剰間隙水圧抑制効果が期待できる.