抄録
最低0.06MPa (0.6気圧) での浸漬型逆浸透装置の運転を行い, 模擬汚染地下水処理時のフラックス値, 各種物質の阻止率を調べ, 得られた物質輸送特性をモデルで解析した. 吸引ろ過でも0.030m/d程度のフラックスと90%の塩化物イオン阻止率を得ることができ, 60日の連続運転でも0.021m/dのフラックスを膜洗浄なしで得ることができた. 低圧運転時のフラックスを加圧運転時のデータから浸透圧を加味したモデルによって予測したが, 吸引ろ過で実際に得たフラックスは予測値よりも小さかった. 重金属類, 硝酸イオン, フミン質成分, ビスフェノールAなどの低圧運転時の阻止特性を Solution-Diffusion model および Extended Nernst-planck 式を用いて予測し, 実測値との比較検討を行った.