土木学会論文集
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旅行時間の思い込み認知と繰り返し行動に伴う選択肢の絞り込みについての実験研究
中山 晶一朗藤井 聡北村 隆一山田 憲嗣
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2002 年 2002 巻 709 号 p. 51-60

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抄録

本研究では, 繰り返し経路が選択される中で各経路の旅行時間が系統的な誤差なく認知されるようになるのか, また, 経路選択の際に全ての経路が考慮されているのか, について室内実験に基づき解析を加えた. 主な実験結果として, 現状とは著しく異なる認知状態である「思い込み認知」が生じること, 繰り返し同じ経路を選択することにより考慮する選択肢の数が減少する「選択肢の絞込み」が生じること, 経路変更には余分な認知コストがかかること, 頻繁に選択する経路に対する正当化が行なわれることなどが示された. 従来から交通行動分析ではロジットモデル等の離散選択モデルが多用されてきたが, 本実験結果はその適用の際に選択肢集合や経路属性の入力等を慎重取り扱う必要があることなどを示唆している.

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