抄録
本研究は, 各構造要素における最大応答水平変位の制約条件のもとで, 免震橋梁システムの初期建設費と大規模地震により生じる損傷の補修費の和を最小にする各構造要素の断面諸元 (非線形剛性特性) を, 理論的に正確に, かつ効率的に決定できる最適設計法を提案している. 各構造要素の初期建設費の最小値と設計変数の関係式を Suboptimization の手法により導入し, 損傷の補修費と設計変数の関係式を損傷度, 補修コスト係数, 初期建設費を用いて導入している. また各構造要素における非線形最大応答水平変位と設計変数の関係式を実験計画法により効率的かつ正確に求め, これらの関係式を用いて, 凸近似双対法により実際規模の橋梁の各構造要素の断面諸元の最適値を効率的に決定できることを明らかにしている.