抄録
本研究では, 高耐力マイクロパイル工法の設計法を検討するために, 鉛直載荷試験および鉛直交番載荷試験を実施した. その結果, qu=2N/mm2程度の土丹層に定着長を6mとした鉛直載荷試験では, 極限押込み力が3300kNであり, 杭径が17.78mmと小口径の杭としては大きな極限支持力を得られることが確認できた. また, 定着長を3mとした鉛直交番載荷試験では, 引抜き時1050kN, 押込み時1700kNの極限支持力であった. さらに, 載荷試験結果やFEM解析結果より, 杭体や定着部周辺地盤が分担する荷重をモデル化し, 高耐力マイクロパイル工法の軸方向バネ定数を算出する式を提案した. この提案式は, 本載荷試験結果のみならず, 細砂層で実施された同種の杭の載荷試験結果ともよく一致し, 提案式が妥当であることがわかった.