土木学会論文集
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超長大吊橋主塔の初期不整が主ケーブル, ハンガーおよび主塔の安全率設定に与える影響
野上 邦栄長井 正嗣
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2002 年 2002 巻 717 号 p. 161-166

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抄録
主ケーブル, ハンガー及び主塔の安全率をパラメトリックに変化させた場合の吊橋全体系の終局強度に関する既往の研究は, これまで初期不整の無い完全系の構造を対象にして解析した成果であったため, 大きな軸圧縮力と曲げモーメントを受ける主塔の初期不整が構造全体系の終局強度に影響することが懸念された. そこで, 本論文では3000m吊橋主塔に初期不整を考慮した弾塑性有限変位解析を各構成要素の安全率を変化させた断面に対して実施し, 各構成要素の初期降伏および吊橋全体系の終局強度に対してバランスのとれた安全率の組合わせを検討した. その結果, 主塔の初期不整が吊橋全体系の終局強度に与える影響は小さいことを明らかにした. したがって, 構成要素の安全率の組合わせは初期不整のない場合と同一のものを提案している.
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