2002 年 2002 巻 722 号 p. 207-217
強震動を受け強非線形化した地盤の地震時挙動を解析するため, 高速ウェーブレット変換を用いた時間-周波数領域の非定常地震応答解析手法を提案した. 提案手法は地震動が入力されてから非定常に変化する地盤のせん断剛性と減衰定数を, その時点までに地盤が受けた累積損失エネルギーと最大ひずみレベルに基づいて規定する方法を示している. この方法の特長は, 地盤の時々刻々の剛性低下が陽な形で計算結果として出力されることであり, 一種の非線形解析となっている. また, 提案手法を用いて神戸ポートアイランドで観測された強震記録を対象とし, 液状化による剛性低下を伴う地盤の強震時挙動解析に対する適用性を検討した.