抄録
施工時に鋼管群が自立状態となり, 風の作用が架設時の安全性を支配する鋼管・コンクリート複合構造を有する高橋脚の耐風設計法の確立を目的として, 9~12本で構成される鋼管群の耐風応答特性に関する一連の検討を行った. 風洞実験の結果, 1) 鋼管配置よりも鋼管間隔が渦励振の発現に大きな影響を与えること, 2) 渦励振の発生メカニズムには各鋼管から発生する渦に起因する場合と鋼管群全体から発生する渦に起因する場合の2つのタイプがあること, 3) 鋼管間隔が直径の1.4倍程度の時に振幅が最も大きくなることなどがわかった. これらの結果を踏まえ, 渦励振を抑制するために必要な付加減衰を尺度とする動的耐風設計手法を提案した.