土木学会論文集
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急曲線を低速で通過する車両の走行シミュレーション
松浦 章夫
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2003 年 2003 巻 724 号 p. 239-248

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抄録
急曲線部を走行する鉄道車両においては, 車輪に大きな横圧が作用し, 出口側の緩和曲線部では軌道の平面のねじれも加わり, 外軌側の車輪のフランジはレールに乗り上がり易くなる. 本研究では, このような場合を想定し, 急曲線を低速で通過する車両の走行安全性を検討することを目的とした数値解析シミュレーション法の開発を行い, 主要なパラメータが車輪のレールへの乗り上がりに対してどのような影響を与えるかを二三の解析例で示した. その結果曲線に沿った車両の回転運動による左右レールの相対移動速度差を解析上無視することはできないこと, 低速走行時に静止輪重のアンバランスが大きな値に保持され, さらに車輪・レール間の摩擦係数がある大きな値に達する場合は, 車輪がレールに完全に乗り上がり, 脱輪に至ること等が明らかになった.
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