抄録
日本の大動脈である東海道新幹線は, 開業以来約35年が経過した. それを支える構造物に対して, 従来からきめこまかな維持管理が行われている. このような中で, 開業以来供用されてきた鋼桁が, 新駅工事に伴い撤去された. そこで, 製作の状況及び設計と製作の相違点を把握することを目的に, 撤去された桁を工場内で非破壊検査・破壊検査等を行った. その結果, 製作当時の鋼材・溶接の品質, 供用後に発生した疲労損傷の補修状況が明らかになった. これらのデータは, 今後の維持管理に有用な情報を与える他, 鋼矯の耐久性を論ずる際に貴重な資料になると考えられる.