抄録
都市河川の治水対策の一環として考えられている地下放水路は立坑とトンネルで構成されている. 地下放水路の流れは開水路状態から管水路状態になり, 再び開水路状態の流れに戻るが, 開水路状態から管水路状態に移行するさいにトンネル内に空気が閉じ込められる. 本研究では, トンネル内に閉じ込められた空気が地下放水路の流れに及ぼす影響をスロットモデルを用いて解析し, 地下放水路の流れを解析するためには空気の圧縮性と立坑からの空気の排出を考慮することが必要であることを示し, またトンネル内に空気が閉じ込められると, 立坑の水位およびトンネル内の圧力が上昇することを示した.