本研究では, 多段土壌層法の河川の直接浄化への適応を目的に, 2000年12月より一級河川遠賀川の支川, 熊添川を対象に1年間実証試験を行い水質浄化性能の検討を行った. この結果, 多段土壌層法の特徴である高速負荷条件 (4m
3/m
2/日) を1年間継続しても, 河川水のBOD6-105mg/l (平均30mg/l) を平均で2mg/l まで年間を通じて安定して処理ができ, 修景用水あるいは親水用水として利用できる処理水質を得ることができた. 通水層資材の水質浄化能の比較 (ゼオライトと軽石) では, BOD除去に関しては軽石の方がやや優れていた. また, 多段土壌層装置における各汚濁物質除去係数を求めた. 多段土壌層装置内への河川水中の無機SSの蓄積による目詰まりまでの耐用年数を推定した結果, 耐用年数は20年以上と推定された.
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