抄録
マテリアルフロー分析を道路に適用し, 道路工事の環境負荷分析とわが国全体の道路のマテリアルフロー分析をおこなった. さらにこの2つの分析を融合して, 環境負荷の異なる複数の道路修繕工事の施工割合によってわが国全体の道路のマテリアルフローが決定されるモデルを作成し, 両者の関係を分析した. とくに建設廃棄物のマテリアルバランスに着目して分析をおこなった結果, 道路は建設廃棄物の受け入れ先としては一時的な役割しか果たさず, 道路からの建設廃棄物排出量の方が多くなること, 建設廃棄物排出量の抑制には小規模な修繕工事を多数回施工する方が効果的であることを定量的に明らかにした.