2003 年 2003 巻 741 号 p. 167-173
本研究では, グルコースを基質としたラボスケールのUASBにおいて, 反応器内を過負荷状態維持することにより, 細胞外ポリマーを早期に蓄積させ, そのことによる, グラニュールの形成促進効果について実験的に検討した. 実験結果から, 過負荷運転と細胞外ポリマーの蓄積, 及びグラニュールの形成に密切な関係があることが明らかてなった. また, 過負荷状態の保持により, グラニュール形成期間を約40日に短縮できた. 過負荷運転を行った場合, グラニュール形成までの期間は処理性能は低下するが, グラニュールが形成され始めると速やかに回復した. SEMによる観察結果から, 負荷のかけ方によって微生物相が異なることが確認された.