アマモ場の分布限界水深を上限が波浪による葉条の切断もしくは株の流失現象, 下限が純光合成光量低下による枯死現象に起因するものとして捉え, 天然のアマモ群落の形成状況を基準にそれらの予測評価手法を開発し, 適用性を検討した. その結果, 砂質地盤に形成されるアマモ場の分布上限は, シールズ数が0.2以下, 底層流速が0.6m/s以下の水深帯にあることが判明した. また, アマモ場の分布下限水深は, 水中光量から補償点光量を差引いた純光合成光量の月別平均値が0となる水深で概ね表現できることが示された. 純光合成光量の月別平均値は, 海域ごとのアマモの季節的消長や光条件悪化の原因となる環境要因を解明し, アマモ場の保全・環境改善対策検討のツールとなり得ることが示された.