2003 年 2003 巻 741 号 p. 95-100
本報は, 自然再生推進法の実現化に向けて, 閉鎖性海域の環境修復事業のための技術選定とその効果検証のために, 実海域において, 多くの環境修復技術の検証実験を行う研究プロジェクトの概要について紹介するものである. 研究の対象海域は, 環境悪化の著しい大阪湾奥の尼崎港内であり, 環境修復目的としては, 流入負荷削減, 有機懸濁物削減, 海中の栄養塩削減, 底質改善, 栄養塩の溶出量削減, 海水交換の促進であり, このための環境修復技術として, 人工干潟, 環境配慮型港湾構造物, 石積堤磯と閉鎖干潟, 筏藻場, アオサバイオマス利用, 流況制御技術について特定し, 各技術を適用するため尼崎港内に各技術の施設を設置し, そこで技術の効果検証の現地実験を行っている.