2003 年 2003 巻 742 号 p. 193-202
消波工断面の一部が波浪により被災したことを背景に, 本研究では, 部分被覆消波工の被災現象について, 水理模型実験・数値解析および現地調査結果により定量的に評価し, 水理模型実験により算定された安定数を設計に用いる際の波浪場評価の重要性を示した. これに基づき, 消波ブロックの耐波安定性に対するライフサイクルコストを最小化することを目的として信頼性設計法を適用し, 最適なブロックの体積, 比重を選定した. さらに, 石炭灰を大量に利用したコンクリートを使用した場合に懸念される凍害劣化現象について, 凍結融解試験結果および期待被災度を反映した劣化確率評価を行い, ライフサイクルを考慮した最適配合を選定した.