土木学会論文集
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誘発交通を考慮した混雑地域における道路整備の利用者便益推定
円山 琢也原田 昇太田 勝敏
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2003 年 2003 巻 744 号 p. 123-137

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抄録

道路投資の整備効果を推定する際には, 道路整備により新たに発生する誘発交通を適切に反映した交通モデルを利用することが求められる. 本研究では, この誘発交通を表現可能で, 経済理論とも整合的な需要予測・便益評価を行えるネットワーク統合モデルを用いて, 混雑の激しい現実の都市圏における道路整備による交通状況の変化予測, 利用者便益の推定を行う. 従来用いられてきた固定需要型のモデルとの推定結果の比較より, 誘発交通を考慮することで生じる交通量の変化は都市圏全体ではわずかであるが, 対象道路の交通状況の変化は大きいこと, 利用者便益の推定値に多大な影響を与えうること, 今回の適用地域では, 既存のモデルは便益を過大推定することなどを実証的に明らかにした.

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