本稿では, 複数滑走路で構成される空港における最適滑走路維持・補修計画について考究した. 特に, 離発着回数が滑走路の舗装状態に与える影響を考慮した方法論について検討を加えた. まず, 定常状態について離発着数を明示的な操作変数とした定式化を行い, Pontryagin の最大原理を用いて最適性条件を導出し, 解法を開発した. 続いて, 3本の滑走路の場合について数値計算を行い, 整備間隔の違いが離発着数の制御および舗装厚に与える影響について検討した. その結果, 整備間隔が短いほど, 特定の滑走路を集中的に配分する傾向が現れ, 費用も高騰することが把握された. 一方, 整備間隔が長くなれば, 各滑走路の配分離発着数がほぼ等しくなる制御が行われ, 費用も低減することがわかった.
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