抄録
1999年に相次いで発生したトルコのコジャエリ地震と台湾の集集地震では, 地震動だけでなく地表地震断層によって土木構造物が被害を受ける問題が注目された. 地表付近の地盤変形は, 断層の変位や未固結被覆層の特性などに依存して複雑である. 特に横ずれ断層の場合には, 地表面に網目状のせん断帯が帯状に連なる変状域が形成されるが, その性状やメカニズムの詳細は未だ解明されていない. そこで, 過去に実施された横ずれ断層に関する一連の模型実験の結果を分析し, 基盤の横ずれの断層運動によって砂地盤の表面に形成されるせん断帯の特徴的な構造を検討した.