2004 年 2004 巻 752 号 p. 89-104
旧タコマナローズ橋が落橋して60年以上が経過した現時点においても, 旧タコマナローズ橋のねじれフラッター特性に関しては完全に解明されていない幾つかの疑問点が残されている. そこで, 本研究では, 出来る限り正確な旧タコマナローズ橋の構造諸元を算出するとともに, 固有振動解析とねじれフラッター解析を実施して, 旧タコマナローズ橋のねじれフラッター特性について考察を加えた. その結果, 旧タコマナローズ橋では, ねじれフラッターの発現時にはセンタースティが有効に機能していなかったこと, もしセンタースティが有効に機能していた場合には, 対称1次のねじれフラッターが発現したとの知見を解析的に提示した.