抄録
本研究では, 土の平面ひずみ供試体の変形挙動の画像処理法を提案する. この解析法は, PIVとブロック対角化原理とを組み合わせたものである. 本手法により, 左右対称性を持つ系に対して, PIVにより得られる画像データは左右対称成分と反対称成分に分解される. このとき, ブロック対角化原理により, 反対称成分の発現が分岐の発現に対応する. 豊浦砂の平面ひずみ圧縮せん断試験を行い, せん断帯の発生過程を観察する. さらに, PIVを用いることにより, 供試体の変位場の経時変化を求め, この変位場を対称成分と反対称成分とに分解し, 局所化のメカニズムを調べる. この結果, 反対称成分の向きや大きさが複雑に変化することにより, 分岐の発生やせん断帯の発生方向や発生過程などの特徴的な挙動を支配していることを明らかにできた.