抄録
高レベル放射性廃棄物の地層処分での調査・開発を想定し, 調査ボーリングに付随して地下構造の推定が行える坑井掘削音利用法の, 土木開発規模への適用を検討した. 小規模な掘削行為を利用するために, 初めに小型軽量坑井内3成分弾性波検出器を製作し, 特性評価試験により従来の大型の機器と同等の性能を持つことを確認した. 花崗岩採石場において, 掘進長約10mを対象に坑井掘削音の観測を行い, 3軸VSP法により地下反射係数分布を評価したところ, 比抵抗などの検層結果と調和的であった. 比較的小規模の掘削行為への適用で簡便に深部の推定が可能であり, 本方法の有効性を確認することができた.