抄録
著者らは, 先の検討で実態調査に基づいて水圧鉄管の一次固有振動数と水車回転数が近接した場合に, 周方向モード次数n=2の振動が生じ得ることを指摘し, 数値解析的検討によりn=2, 3に着目した固有振動数算定式を提案した. さらに, n=2に対して周方向スチフナーによる振動抑制効果が顕著でないことを指摘した. しかし, 周方向モード次数n=2に着目して実験的, 解析的検討がなされた例が少なく, 実際の鉄管振動に基づいて検証された事例も見られないことから, 縮尺1/4程度で板厚および周方向スチフナーの有無をパラメータとした脈動加振実験を行い, n=2およびn=3の振動発生状況と周方向スチフナーの防振効果を確認した. 同時に, 数値解析結果との比較・検証を行った. これらの検討結果に基づいて, 水門鉄管技術基準における防振規定を見直すための一試案を示した.