抄録
本研究では, インターロッキング式橋脚の幅広長方形断面への応用と帯鉄筋量の低減, 施工の省力化を目的として, 楕円状に曲げた2連の帯鉄筋を少しずつ重ねて横拘束筋とした楕円インターロッキング式配筋を提案するとともに, 楕円インターロッキング式配筋を有する曲げ破壊型の橋脚に対して模型供試体による正負交番載荷実験を行い, その塑性変形特性について, 中間帯鉄筋を配筋した矩形断面橋脚, 円形断面橋脚, 従来のインターロッキング式橋脚との比較を行った. その結果, 本研究で提案する楕円インターロッキング式配筋とした橋脚は, 楕円状帯鉄筋の曲げ半径比が2.39以下の範囲であれば, 円形帯鉄筋による従来のインターロッキング式橋脚と同等の塑性変形性能があることがわかった.