抄録
本研究では, 既存の地盤データベースの問題点を整理し, 日本全国の地形地盤を統一的に分類するための工学的な地形分類基準を提案した. この分類基準に基づき, 広域を対象としたハザード評価システムなどに使用されることを前提とした全国的な地盤特性データベースを, GIS (地理情報システム) を用いて約1kmメッシュ単位で構築した. 本研究による地形分類基準を用いて分類した微地形区分と, 気象庁の強震観測地点における地点係数 (増幅特性) との関係を検討した. その結果, 本研究による微地形区分ごとの地点係数は, 地震動評価に重要といわれる1秒前後の周期帯において, 他の地盤分類と比較するとばらつきが小さいことを確認した.