2004 年 2004 巻 760 号 p. 197-212
飽水度の高い若材齢コンクリートを対象として, 冬季の厳しい自然環境を模した1日1サイクルの緩速凍結融解を60サイクル与えた場合における劣化挙動と内部損傷を実験的に調べた.
本研究では, 圧縮強度が4.0N/mm2を超えるまで養生すれば, 最初の一冬に生じる内部損傷は長さ変化にほとんど影響しない程度のものであること, 封かん状態と同等あるいはこれ以下の含水条件で養生・供用する場合は, 水セメント比を60%以下とし, かつ, 圧縮強度が5.0N/mm2を超えるまで養生すれば内部損傷はほとんど生じないこと, コンクリートの凍害損傷を防止するためには, 水セメント比を小さくすることが極めて有効であることなどを示した. また, 寒中コンクリートの必要養生日数に関する提案も行った.