2004 年 2004 巻 765 号 p. 155-171
本研究では, 多くの社会基盤投資・運用事業をリアル・オプションと見なし, その評価および最適意思決定問題の統一的な表現および計算法のための枠組を提案する. 具体的には, まず, 従来研究が対象としてきた典型的なリアル・オプション問題を現実的な枠組に拡張したものが, 変分不等式問題として統一的に記述できることを明らかにする. 次に, この問題が, 適切な関数変換によって, 標準形の相補性問題に帰着することを明らかにする. この分析結果に基づき, 最近の相補性問題理論を活用した, 一般性のある効率的解法を開発する.