2004 年 2004 巻 765 号 p. 143-153
本研究では, 評価者個人が他の評価者の評価結果を参考に, 自己の評価結果の修正を行うことによって, 集団として合意形成が図られる過程を表現する, AHPを用いた評価ウエイト修正法の構築を行った. 評価ウエイト修正法では, 評価結果の修正は個人間の意見に関する類似性を考慮している. また, 評価ウエイト修正法と集団意思決定ストレス法を組み合わせた合意形成支援システムを提案し, テストデータを用いた数値計算例も示している. その結果, 合意形成過程における評価ウエイトの変化が個人毎に示されることが確認できた. また, 同システムを適用することにより, 評価結果の修正を許さない個人に対して, 意見修正の誘引効果があることが示された.