2004 年 2004 巻 765 号 p. 29-38
本研究は, 仮想状況下での選択意向データを用いた交通行動モデルに, 選択肢属性に対する好みの程度 (態度) データを統合することで, 統計パラメータの信頼性や有効性を向上させることを目的としている. 仮想状況下での選択意向データには固有の信頼性に対する問題が指摘されているが, 態度指標はそれらを補完する性質を持っていることがこれまでの研究で明らかになっている. そこでこれらを統合するその方法論として, すでに提案されているいくつかの仮説に応じた異なる統計モデルを定式化し, 各モデルの有効性を確認する. また主要な要因のパラメータ推定値の比, とくに時間のパラメータと費用のパラメータの比を指標として, 提案したモデルの比較を行い, 提示した仮説とそのモデル化の適否を論証する.