2004 年 2004 巻 777 号 p. 139-147
本研究は, 地下空間を魅力的にするための空間概念として「期待感」を導入し, 連続する地下空間が途中で広がって拡大した場合に於ける(1)期待感を感じる位置, (2)期待感強さと物的条件の関係, を明確化することを目的とする. そのため, 地下空間での現地調査を行い期待感が最も強くなる位置の存在を確認し, VTR映像を用いた期待感評価実験を行った. その結果, 期待感最大位置とその位置での期待感強さ, および位置と強さを決定する空間要因を抽出した. さらに, 空間ボリューム変化を示すCGモデル映像実験を行い, 空間拡大時の期待感最大位置が断面不可視領域率により決定されることを明確化し, 期待感最大位置とその位置における期待感最大強さについて予測式を求めた.