2006 年 62 巻 3 号 p. 489-508
本研究は,開削式鉄筋コンクリート共同溝の側壁の破壊形態と耐震補強効果を繰り返し載荷実験に基づいて検討したものである.耐震補強法としては,貫通アンカー,拡底式アンカー,CFRPシート,CFRPシートと拡底式アンカーの組み合わせの4種類を検討した.現況の構造では側壁に曲げ損傷後にせん断破壊が生じるが,これを貫通アンカーで耐震補強すると,曲げ破壊先行型にすることができること,拡底式アンカーではせん断ひび割れ抑制効果はあるが,せん断補強効果は低いこと,CFRPシートでは目的とする耐震補強効果を得るためには,シートを側壁に固定する方法に注意を要すること等が明らかとなった.