塗装を省ける耐候性鋼橋梁は,LCC(ライフサイクルコスト)を低減可能なことから幅広く建設されている.耐候性鋼材は,桁内の飛来塩分が0.05mdd(mg/dm
2/day)以下の環境が使用の目安になっている.しかし,腐食状況は橋梁の部位により異なる.また,桁内での飛来塩分は橋梁の完成後まで観測することができない.したがって,数値シミュレーション等により橋梁各部位の飛来塩分を評価することができると,防食設計や維持管理に有益である.本論文は,数値シミュレーションにより橋梁各部位の飛来塩分を推定するために,飛来塩分を濃度物質の移流拡散と粒状物質の移流拡散により扱い,物質通過累積を定義して,実橋の観測値との比較によりその有効性を検討している.
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