2008 年 64 巻 4 号 p. 765-777
ロビンソン型の合成床版は,鋼板とコンクリートをスタッドにより合成し,コンクリート打設時の鋼板の変形を抑えるために鋼板を横リブで補剛した床版形式である.近年,わが国においてこの形式の合成床版が多くの道路橋の床版に適用されている.これまでの研究により,この合成床版の代表的な疲労損傷形態のひとつとして,スタッドが疲労破断することが明らかになっている.本研究では,著者らが過去に実施した支間部および張出し部の輪荷重走行試験の試験体を対象として,細部まで忠実にモデル化した3次元有限要素解析を実施し,スタッドに作用するせん断力の性状を把握するとともに,解析結果と試験結果および既往の研究結果との比較をもとにスタッドの疲労強度の評価を試みた.