2009 年 65 巻 4 号 p. 955-960
XFEMは,既知である解の特性「priori knowledge」を直接利用した近似を,エンリッチメントという概念を用いて局所的な領域に適用した解析手法である.本論文では,従来のXFEMおよび著者らがPUFEMに基づき再定式化したXFEM(PU-XFEM)に関して,き裂解析におけるpriori knowledgeの再現性の評価を行った.その結果,従来のXFEMは,特にき裂先端付近においてこの再現性に重大な問題を有することが明らかとなった.一方,PU-XFEMを用いた場合,従来のXFEMと異なり,priori knowledgeを局所的な領域で正確に再現できることが示された.