抄録
2007年8月1日に起きた米国ミネソタ州ミネアポリス近郊のI-35W橋崩落事故をうけて,複数の崩落原因が推測され,原因解明のための調査や研究が行われている.本研究はI-35W橋崩落の原因を,有限要素法の汎用プログラムを用いて解析的に解明したものである.崩壊のメカニズムを解析することによりU10格点部ガセットプレートの損傷が崩壊の起点であることを特定した.また,事故当時の格点部の構造条件および荷重条件のもとでU10格点部が損傷する状態にあったことを明らかにした.さらに,I-35W橋崩落事故を回避できた可能性についても検討し,その回避方法の一例を示した.