2010 年 66 巻 4 号 p. 717-722
切断位置を跨いでCFRP板が接着された鋼板では,CFRP板の剛性を大きくすると,切断縁の接着剤に生じるはく離せん断応力を小さくできるが,CFRP板の付着端のはく離せん断応力が大きくなる.したがって,CFRP板接着切断鋼板では,はく離せん断応力を小さくするために,切断縁でCFRP板の剛性を大きく,CFRP板の付着端で剛性を小さくするのが良い.CFRP板の端部に段差を設けた場合,切断縁で剛性が大きく,付着端で剛性が小さくなるため,はく離せん断応力が小さくなり,CFRP板のはく離荷重の上昇が期待できる.本研究では,端部に段差を設けて2枚のCFRP板が切断鋼板に接着された場合に対して,切断縁およびCFRP板の付着端の接着剤に生じるはく離せん断応力を最小にする各CFRP板の剛性を明らかにする.