抄録
ゴム材料を応用した構造部材の力学挙動を精緻に予測するためには,高精度なゴムの構成モデルが不可欠となる.本研究では,ゴムが有する応力進展方向やエネルギ吸収性能などの力学特性を精度良く再現するための構成モデルの構築を目的とする.まず,ひずみレベルに依存するエネルギ吸収性能を表現できる1次元の粘弾塑性モデルを構築しその力学特性を考察する.次いで,1次元のモデルを微小ひずみ・大ひずみでの3次元構成モデルへ拡張し,併せてモデルの応力積分法と整合接線係数を提示する.次にこの粘弾塑性モデルを超弾性ダメージモデルと並列に組合せ,ゴムの力学特性を再現するための超弾性-粘弾塑性ダメージモデルを提案する.最後に本モデルの材料定数の同定事例とそれを応用した数値計算例を示す.