土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
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特集『土木工学分野における流体力学研究のパースペクティブ』
  • 杉原 裕司, 山上 路生, 溝口 敦子, 東平 光生
    2018 年 74 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル 認証あり
     土木学会応用力学委員会では,構造力学や流体力学,地盤力学,その他を力学の観点から分野横断的に統合する試みを継続している.応用力学分野では,現在多くの先進的な流体力学研究が展開されており,その内容から土木工学分野における流体力学研究の最先端と今後の展望を概観することができると思われる.このような背景から,この度,土木学会論文集A2分冊通常号では,『土木工学分野における流体力学研究のパースペクティブ』と題した特集を企画した.本特集は,流体現象の“力学的理解に深く切り込んだ基礎的な研究”を中心に,1編の招待論文と5編の一般論文から構成されており,土木工学分野,特に応用力学分野における幅広いテーマの流体力学研究の最先端の成果をまとめたものである.
  • 山口 創一, 速水 祐一
    2018 年 74 巻 1 号 p. 92-106
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/20
    ジャーナル 認証あり
     本論文は,鉛直にσ座標,水平に三角形の非構造格子を採用した有限体積法海洋モデルFVCOMと生態系モデルを結合し,有明海における貧酸素水塊の効果的な抑制法について検討した著者らの研究成果を解説したものである.開発した生態系モデルは,溶存酸素濃度を高精度に再現することに成功し,カキ礁を利用した場合,貧酸素化に対して大きな抑制効果を得られることが示されている.また生態系モデルのベースとなる物理環境の再現精度向上に向けて提案された,σ座標に由来する誤差の改善手法,特に極浅海域に適した手法についても説明する.σ座標のまま評価する方法では,非構造格子を用いた高解像度海洋モデルにおいても圧力勾配項に由来する奇異な流れが駆動されるが,極浅海域用に改良したz座標変換後に評価する場合,誤差は大きく修正される.
  • 岡本 隆明, 山上 路生
    2018 年 74 巻 1 号 p. 4-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル 認証あり
     開水路植生流れでは,大規模な組織渦が浮遊砂や栄養塩類などのスカラー輸送を支配するが,その詳細については不明な点が多い.特に本稿では沈水植生の揺動と乱流拡散特性の関係にフォーカスし,その定量評価を試みた.剛体植生モデルと柔軟植生モデルを用いた実験水路において,レーザー蛍光誘起法(LIF法)による染料濃度計測とPIV法を併用した乱流計測を実施した.前半部では剛体および柔軟植生によって生成される渦のスケールや移流速度を比較した.後半部では濃度と流速の瞬間場の同時計測データより,染料濃度と流速の相関特性を考察した.さらにスカラーフラックスを直接計算し,柔軟植生が揺動することで植生層内部への物質輸送効率が小さくなることが示された.
  • 内田 龍彦
    2018 年 74 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル 認証あり
     河川構造物の設計,維持管理において,下流水深によって跳水形態が変化する段落ち部下流の流れを明らかにすることは重要である.本研究では,比較的大きな粗面が段落ち部下流に存在する場合を対象として,実用性の高い水深積分モデルによる解析法を開発する.解析には,非平衡粗面抵抗則を導入した非静水圧水深積分モデルであるGBVC4-DWL法を応用する.段落ち部背後の仮想河床と砕波モデルを導入することで,本解析法は実験で観察された段落ち部下流の様々な流れ場の形態を説明できることを示した.次に,本解析法を構成する種々の方程式や項の役割を明らかにするために,一次元解析法と本解析法を含む4つの解析法を比較し,段落ち部下流の流れの解析における,渦度による流速分布の変形や圧力の非静水圧分布の役割等を考察した.
  • 横嶋 哲, 島田 佳昭
    2018 年 74 巻 1 号 p. 27-37
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル 認証あり
     流体運動に完全追従するラグランジュ粒子や十分に重い慣性粒子について,乱流中の粒子衝突特性を調べた例は多く存在する反面,粒子比重の影響を調べた例は存在しない.本研究は,比重が一様等方乱流中の微小粒子のクラスタ形成に及ぼす影響を検討した先行研究(土木学会論文集A2, 72(2), I_459, 2016)の発展とみなせ,比重が1.005から1000の範囲内で粒子の衝突特性を調べた.流体中の粒子挙動は,Basset履歴項を無視したMaxey-Riley方程式によって表現した.比重の増加とともに粒子衝突頻度は大幅に高まること,その主要因はクラスタ形成に伴う粒子数密度の局所・瞬間的な高まりにあることが示された.粒子衝突頻度を相対接近速度と動径方向分布関数で推定するモデルの妥当性も評価し,このモデルは粒子衝突頻度を非常に良好に予測できることが示された.
  • 溝口 敦子
    2018 年 74 巻 1 号 p. 38-50
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル 認証あり
     近年用いられている植生水理を取り込んだ平面二次元河床変動解析は,植生域内での土砂堆積量の再現精度が良いとは言い難い.本研究では,平面二次元解析における植生域内での土砂輸送に関わる摩擦速度の見積もりが過小である可能性に着目し,PIVを用いて剛な植生モデルを配置した植生域内の流速分布を底面付近を中心に調べた.これにより,植生域内では,植生による抵抗力に流速が支配される上層領域が発達する程度の水深以上であれば,水深によらず底面の流速分布が決まること,底面流速は植生域内の固有流速と底面の粗度によって決まることなどを示した.さらに,本実験の条件では,摩擦速度は底面粗度境界層厚により決定できることを示し,境界層厚の算定に課題は残るものの植生域内の流砂量評価に有益な知見を得ることができた.
  • 星野 剛, 安田 浩保, 倉橋 将幸
    2018 年 74 巻 1 号 p. 63-74
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/20
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     沖積河川の底面起伏は流下方向の波長が流路幅の数倍ほどの交互砂州を骨格とし,これが治水と自然環境の両者に密接に関係する.このため,その形成の条件と機構が研究されてきたが,特に形成機構の理解は不十分である.その要因の一つに,模型実験と実河川のそれぞれにおける交互砂州の発達過程の水面と水底の同時計測法の未確立が挙げられる.本研究では,まず模型実験において通水を維持したまま交互砂州の発達過程の水面と水底の曲面形状の同時計測法を開発し,つぎに固定床および移動床の模型実験を行い,同計測法の計測精度を検証した.その結果,長さ10メートルの実験水路の水面と流水中の水底の曲面形状を約10秒の計測時間で1cm四方の空間解像度で計測でき,流水中の底面形状を交互砂州の波高の数%程度の精度で測定できる事を示した.
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