抄録
部材の接合部分や角部近傍では応力集中が発生しやすいため,部材の降伏を評価する弾塑性解析が重要となる.そのような構造物の離散化に構造要素を適用すると,塑性域における金属材料の非圧縮状態が考慮されず,妥当な計算結果が得られるとは限らない.本研究では,Nitsche法に基づく異種要素の接続手法を鋼構造物のモデル化に適用する.本手法では,部材の接合部など角部を含む接続境界において,メッシュ分割を工夫することで妥当な計算結果が得られる.また,接続部分の界面に塑性域が進展するような状況では,シェル要素とソリッド要素で表現できる応力状態の相違から応力ベクトルが不連続となり,数値計算が不安定になる.そのため,異種要素を接続するモデル化手法は,各領域内に塑性域が留まる状況のもとで,弾塑性問題に適用すべきである.