2018 年 74 巻 2 号 p. I_295-I_302
本論文では,デジタル画像相関法(DIC)を用いて,コンクリート断面のひずみ分布を計測し,粗骨材周辺に発生・進展するひび割れ進展挙動を可視化した.本研究で用いるDIC計測は,市販のデジタルカメラと照明器具を用いて,コンクリートのひび割れ進展挙動を計測するために,独自に開発した方法である.その計測方法の概要と特徴を述べた後,粗骨材を表面に露出させたコンクリート供試体の圧縮試験を対象に,圧縮破壊挙動のDIC計測を行い,粗骨材周辺に発生・進展するひび割れを可視化した結果を示す.さらに,計測したひずみテンソルから算出した最大主ひずみの主方向ベクトルを用いることで,圧縮荷重下においてひび割れが進展・開口していく挙動を可視化することができた.