抄録
本研究では,群知能として実績のある粒子群最適化に加えて,ランダムウォークに基づく新しい群知能である重力探索アルゴリズムとカッコウ探索アルゴリズムを対象に,群知能のパラメータ最適化について考察した.約50種類のベンチマーク関数に対して最適解を探索した結果,いずれの群知能も良好な探索結果を導く一方で,単峰性・多峰性関数に関わらずカッコウ探索アルゴリズムの探索性能の優位性が見られた.粒子群最適化はシンプルかつ探索性能の良い手法であり,重力探索アルゴリズムは探索速度の点で他の手法より劣るものの,多次元最適化への潜在能力の高さが示された.カッコウ探索アルゴリズムはレヴィフライトによって局所解からの脱却を図りつつ,解空間での最適解への遭遇率を高めており,収束速度や精度,頑健性のバランスのいい群知能であることが示された.