2018 年 74 巻 2 号 p. I_403-I_410
多孔質材料に代表される空隙構造の発達した構造材料では,粒子結合力の定量評価が重要な課題である.本論では,もみ殻灰を混和したセメント改良土を事例に,圧縮応力場におけるAEエネルギ指標を用いて粒子結合力の推定を試みた.検討の結果,材齢7日に対する材齢28日の圧縮強度の増加率は,置換率0%から40%にかけて低下し,置換率50%以上から2.4倍以上に急増した.また,累積AEエネルギと粒子結合力との間には,回帰分析1%水準で正の相関があることが明らかになった.このことから,累積AEエネルギは多孔質材料の粒子結合力を表す指標として有効であることが明らかになった.