2019 年 75 巻 2 号 p. I_3-I_12
せん断変形を考慮する Timoshenko 梁は断面平面保持を仮定する.しかし,断面内のせん断応力は実際には一定ではないので,せん断剛性はせん断補正係数によって修正される.はりのせん断補正係数は,弾性学に基づく方法や有限要素離散化による方法などにより断面変形を求めることで決定される.このような梁理論では断面変形は断面の巨視的なせん断変形に比例すると仮定される.しかし,例えば片持ち梁の支点部ではせん断力が大きくなるが断面変形は拘束される.このように,実際の梁においてはせん断変形と,せん断に伴う断面変形は必ずしも比例しない.そこで本研究では,断面変形を巨視的なせん断変形とは独立に考慮できる梁を定式化し,その影響を定量的に考察した.その結果,本手法は連続体の境界値問題を精度よく再現できること,および断面変形の拘束の影響が梁の高さと同程度の長さに及ぶことを明らかにした.